2015年に米国カリフォルニア州サンバーナディーノで発生した
銃乱射事件の容疑者が使用していたiPhoneの
ロック解除を
めぐる問題以降、Appleと米連邦捜査局(FBI)は対立しているというイメージになっているが、少なくともサンフランシスコでの関係は良好らしい(
Forbesの記事、
Softpediaの記事)。
FBIサンフランシスコ支局長のジョン・ベネット特別捜査官がForbesに語ったところによれば、AppleはシリコンバレーにあるFBIのRegional Computer Forensics Laboratory(RCFL)に従業員を派遣してMacのフォレンジックに関するトレーニングを提供しているほか、FBIだけでなく地元の捜査機関にもさまざまな協力をしているという。RCFLはApple本社と近いことから、協力も容易なようだ。
なお、Forbesの情報提供者によれば、トレーニングの内容はAppleの司法協力ガイドライン(
PDF)に従ったもので、容疑者のiPhoneやMac、iCloudアカウントからデータを取得するためにどのような手順をとれば最善なのかを教え、捜査に影響するiOSやmacOSの変更がある場合には最新情報を提供するといったものだという。Appleのセキュリティを破ってデバイスへのフルアクセスを可能にするといったものではないとのこと。
サンバーナディーノの事件で捜査本部の中心人物の一人だったと報じられているベネット氏だが、サンフランシスコ支局長就任後は、
IT企業との関係を改善したいと述べていた。ベネット氏はサンフランシスコでのAppleの協力姿勢を称賛しており、協力関係は一方的なものではなく、Appleが被害者になった時にはFBIが助けているとも述べている。