ブラジル政府、電源アダプタを同梱しない iPhone に販売停止措置 56
一度変えたら戻さない主義 部門より
ブラジル法務省は 6 日、電源アダプタを同梱しない iPhone についてブラジル国内全域での販売停止などの措置を発表した (ニュースリリース、 9to5Mac の記事、 The Verge の記事、 Mac Rumors の記事)。
措置は全国消費者長官 (SENACON) の手続きによるもので、iPhone 販売停止措置のほか、Apple に 12,275,500 レアル (約 3 億 3,685 万円) の制裁金支払いを命じ、国家電気通信局 (ANATEL) に iPhone 12 以降のモデルを登録解除するよう命じた。
SENACON は 2020 年、電源アダプタを同梱しない携帯電話の販売が消費者保護法に違反する可能性があるとして Apple などに説明を求めていた。ブラジルの裁判所は電源アダプタを同梱しない iPhone の販売が間接的な抱き合わせ販売にあたるとの判断を示しており、各地の消費者保護当局も Apple に制裁を行っている。
Appleは環境に配慮して電源アダプタの同梱をとりやめたなどと説明しているが、SENACONではその負担がすべて消費者に転嫁されていることや、環境負荷を低下させるなら充電端子をUSB Type-Cに変更するなどの対応も可能だと指摘。各地での制裁措置にもかかわらずAppleが適切な対応を行っていないことにも言及したという。
今回の措置は消費者保護に関連する当局などに公式な通知が行われており、違反状態を解消しなければ常習犯としてさらに厳しい措置を行うとのこと。Appleは措置に対する異議申し立てが可能であり、申し立てを行う意思を示しているとのことだ。
なお、iPhone 14 / 14 Pro シリーズはブラジルでも電源アダプタを同梱せずに発売される。ブラジルでは iPhone の価格が非常に高く、iPhone 14 Pro Max は 10,499 レアル (約 288,000円) からとなっている。