Apple のセルフサービス修理プログラムで iPhone の修理に使用する工具を iFixit が分解し、
動画を公開している
(
The Verge の記事、
iMore の記事)。
分解されたのは
レンタル用の工具キットにも含まれる「Display Press (動画内ではScreen Pressと呼ばれる)」「Battery Press」「Heated Display Removal Fixture (HDO)」という大型工具 3 点だ。工具キットをレンタルする場合にはデポジットとして 1,200 ドルが必要になることから「1,200 ドルツールの分解」といった動画タイトルになっているが、これらの
工具のみを購入する場合の価格は計 587 ドル 35 セントとなる。
iFixit ではレンタルの工具を分解するわけにはいかないとして購入しており、HDO で使用する Heated Display Pocket(Hot Pocket) も購入したようだ。Hot Pocket の価格はディスプレイサイズによって異なる (108ドル~116ドル)。なお、iPhone SE (第 3 世代) 用の工具キットに HDO と Hot Pocket は含まれず、シンプルな構造の Universal Display Fixture に置き換えられる。
Display Press は修理後の組立時、ディスプレイと本体の各所に適切な圧力を加えて再接着し、IP レーティングを復元するための工具だ。iFixit ではその機構が動く様子を白鳥が飛び立つ様子にたとえ、非常に美しいと高く評価している。一方、Battery Press はバッテリーの接着に使用するものだが、iFixit では手で押さえるのでも十分だとして、訴訟を回避するための退屈な弁護士プレスだなどと評価する。
HDO は Hot Pocket と組み合わせてディスプレイを加熱し、接着剤を柔らかくして筐体を開くための工具だ。中にいろいろ詰まっていそうな外見だが、iFixit は白鳥プレスと弁護士プレスの中間的なものだと考えてあまり期待していなかったようだ。しかし、実際に分解してみると未使用のコネクターやスイッチ、タッチスクリーン、アップデートにより追加された RFID 機能などが見つかり、動画の半分以上の時間を割り当てている。