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日本医師会の釜萢敏先生がどこかの番組でおっしゃったこと、COVID-19の感染追跡のために、スマホアプリの導入を検討していると。検討しているのは政府? 専門家委員会? 医師会?
それが、このAPPLEとGOOGLEの接触検出技術関連のものなのでしょうか? それとも、別のもの?医療界隈の中枢?でもそのような行動履歴追跡の導入を考えているのにちょっとだけ驚いた。いまのような、クラスター追跡に保健所の調査を人海戦術でやっているようでは、第2波で大苦労しそう。
接触検出、contact tracingは全世界的に検討、所によっては既に導入が進んでいます。国内で誰が発案したのかを考えるのは無駄です。単にトレンドを取り入れてるだけ。
中越は既に独自方式のAndroidアプリを配っていて、これが発信IDが固定だとか精密な位置情報ベースだったこともあり、このストーリで言及されているような各種方式の開発が始まっています。AppleとGoogleが開発している規格はPrivacy-Preserving Contact Tracing方式といい、Bluetooth Low Energyを使って「分析鍵」から生成される「一時曝露鍵」を生成、曝露鍵から「巡回近接識別子」を生成、この識別子を交換して各端末が蓄積、政府機関が感染者の端末から分析鍵を取得して公開すると、未診断の濃厚接触者は接触履歴があることを知ることができるという仕組みです。で、この記事は、そのPPCT方式でもまだまだプライバシー保護が不十分で、ストーカー行為ができてしまう、と改善提案がされているというお話です。指摘しているのは電子フロンティア財団というオープンソースの親玉みたいなところで、技術的な権威はありますから事実なんだと思います。
他の方式としてはEPFL, ETHZ, TU Delftなど名だたる大学が主導、エストニアやフィンランド政府が作業を進めているDecentralized Privacy-Preserving Proximity Tracing(脱中央集権プライバシー保持型近接追跡, DP-3T)方式、欧州8カ国の政府が主導するPan-European Privacy-Preserving Proximity Tracing(汎欧州プライバシー保持型近接追跡, PEPP-PT)方式があります。DP-3T方式はPPCTより少し簡素なこと以外は似ているようですがあまり支持がなく、フランスなどはPEPP-PTで進めているものの、PEPP-PT方式ではPPCT方式の識別子に相当するものが利用者端末の申請を受けて都度サーバより発行されることになっていたり、接触履歴もサーバに許可を受けて提出して、さらにサーバ上で分析を行うことになっていたりと、国民監視や政府による管理を指向していると批判が強まっています。ドイツはDP-3T、PEPP-PTからの離脱とPPCT方式への転換を発表しています。
このPPCT, DP-3T, PEPP-PT方式のどちらでもない、世界各地の地元政府による「自作」タイプも引き続き登場していて、米国ユタ州の"Healthy Together"アプリはGPS位置情報とBluetoothの両方を使うとされています。開発元は「AppleとGoogleの方式を使わずとも十分だが、有効なら取り入れたい」と発言しています。これら「とにかく全部記録しちゃう」方式に対しては両社は規約違反を名目にストアからの削除も辞さないと強硬な態度を取っています。
技術はともかく接触検出をどのように運用するかというと、一般市民の4割が導入すれば有効というどこかの試算があるようで、おそらく感染が収まらない地域では外出や通勤する際にスマートフォンの携帯、アプリの導入と設定が義務付けられるんではないかなと思います。果たしていわゆる自粛の解除と交換条件になるのか、自粛の上でさらにアプリも必須となるのかは分かりません。特に米国など累計121万8025名が感染(今日は+5190名)、7万653名が死亡(+732名)、イタリアでは21万3013名が感染(+1075)、2万9315名が死亡(+236)などしていますが、日本は全て捕捉はできていないとしても今のところ感染1万5078名、死亡536名で済んでいますし、接触検出導入を急ぐような切迫感というのは弱いですね。
技術的な解説ありがとうございました。実際にどのように導入するのか、なんらかのインセンティブが必要になるでしょう。うまく、プライバシーをユーザーがコントロールできてなおかつ付加価値が高まれば、コロナ後の世界でも流行るかもしれないですね。
今、政府が集めてるんだから、政府から適切なAPI出してもらうだけで済みそうな。政府が個人の接触情報システムなんざ作ったら、絶対手放さないことはわかってるんだし。
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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward
日本医師会の釜萢敏先生が (スコア:1)
日本医師会の釜萢敏先生がどこかの番組でおっしゃったこと、COVID-19の感染追跡のために、スマホアプリの導入を検討していると。検討しているのは政府? 専門家委員会? 医師会?
それが、このAPPLEとGOOGLEの接触検出技術関連のものなのでしょうか? それとも、別のもの?
医療界隈の中枢?でもそのような行動履歴追跡の導入を考えているのにちょっとだけ驚いた。
いまのような、クラスター追跡に保健所の調査を人海戦術でやっているようでは、第2波で大苦労しそう。
Re:日本医師会の釜萢敏先生が (スコア:5, 参考になる)
接触検出、contact tracingは全世界的に検討、所によっては既に導入が進んでいます。国内で誰が発案したのかを考えるのは無駄です。単にトレンドを取り入れてるだけ。
中越は既に独自方式のAndroidアプリを配っていて、これが発信IDが固定だとか精密な位置情報ベースだったこともあり、このストーリで言及されているような各種方式の開発が始まっています。AppleとGoogleが開発している規格はPrivacy-Preserving Contact Tracing方式といい、Bluetooth Low Energyを使って「分析鍵」から生成される「一時曝露鍵」を生成、曝露鍵から「巡回近接識別子」を生成、この識別子を交換して各端末が蓄積、政府機関が感染者の端末から分析鍵を取得して公開すると、未診断の濃厚接触者は接触履歴があることを知ることができるという仕組みです。
で、この記事は、そのPPCT方式でもまだまだプライバシー保護が不十分で、ストーカー行為ができてしまう、と改善提案がされているというお話です。指摘しているのは電子フロンティア財団というオープンソースの親玉みたいなところで、技術的な権威はありますから事実なんだと思います。
他の方式としてはEPFL, ETHZ, TU Delftなど名だたる大学が主導、エストニアやフィンランド政府が作業を進めているDecentralized Privacy-Preserving Proximity Tracing(脱中央集権プライバシー保持型近接追跡, DP-3T)方式、欧州8カ国の政府が主導するPan-European Privacy-Preserving Proximity Tracing(汎欧州プライバシー保持型近接追跡, PEPP-PT)方式があります。DP-3T方式はPPCTより少し簡素なこと以外は似ているようですがあまり支持がなく、フランスなどはPEPP-PTで進めているものの、PEPP-PT方式ではPPCT方式の識別子に相当するものが利用者端末の申請を受けて都度サーバより発行されることになっていたり、接触履歴もサーバに許可を受けて提出して、さらにサーバ上で分析を行うことになっていたりと、国民監視や政府による管理を指向していると批判が強まっています。ドイツはDP-3T、PEPP-PTからの離脱とPPCT方式への転換を発表しています。
このPPCT, DP-3T, PEPP-PT方式のどちらでもない、世界各地の地元政府による「自作」タイプも引き続き登場していて、米国ユタ州の"Healthy Together"アプリはGPS位置情報とBluetoothの両方を使うとされています。開発元は「AppleとGoogleの方式を使わずとも十分だが、有効なら取り入れたい」と発言しています。これら「とにかく全部記録しちゃう」方式に対しては両社は規約違反を名目にストアからの削除も辞さないと強硬な態度を取っています。
技術はともかく接触検出をどのように運用するかというと、一般市民の4割が導入すれば有効というどこかの試算があるようで、おそらく感染が収まらない地域では外出や通勤する際にスマートフォンの携帯、アプリの導入と設定が義務付けられるんではないかなと思います。果たしていわゆる自粛の解除と交換条件になるのか、自粛の上でさらにアプリも必須となるのかは分かりません。特に米国など累計121万8025名が感染(今日は+5190名)、7万653名が死亡(+732名)、イタリアでは21万3013名が感染(+1075)、2万9315名が死亡(+236)などしていますが、日本は全て捕捉はできていないとしても今のところ感染1万5078名、死亡536名で済んでいますし、接触検出導入を急ぐような切迫感というのは弱いですね。
Re:日本医師会の釜萢敏先生が (スコア:1)
技術的な解説ありがとうございました。
実際にどのように導入するのか、なんらかのインセンティブが必要になるでしょう。
うまく、プライバシーをユーザーがコントロールできてなおかつ付加価値が高まれば、コロナ後の世界でも流行るかもしれないですね。
Re: (スコア:0)
今、政府が集めてるんだから、政府から適切なAPI出してもらうだけで済みそうな。
政府が個人の接触情報システムなんざ作ったら、絶対手放さないことはわかってるんだし。