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クオーツの発明に相当するのかもしれんが、MEMS発振器なんてのが発明されていた事を知らなかった。まぁ精度とかじゃなく価格とサイズの違いだから漸進的な進歩の類だろうけど。一定以上の閾値を最初に満たせばそれなりに大きな発明でも目立たないもんだな。そして発明されて長く信頼性の高い技術と比べて、若い技術はこういう意外な欠陥があるもんだな。
なお、SiTimeのFAQには、「旧タイプのEpiSeal共振器は分子サイズの小さなガスを大量に浴びると影響があったかもしれません。ただし、新しいモデルではすべての分子サイズの小さなガスに対処できます」との記載があるので、新型のEMSタイミング発振器にはヘリウム耐性があるようです。
克服はされてる。
秋月でも売ってるよ。水晶は結構とアナログで発振しなかったり整数倍で発振したりするから、用途はあると思っていた。一番大きい動機は高いMHzの水晶が売ってないこと。
サイタイムのMEMS発振器は性能良いですよ。価格も安いし。今後水晶を扱うエプソントヨコム、大真空、リバーエレテック、京セラ辺りはかなりやばいんじゃないだろうか。
https://www.sitime.com/products/1-26-mhz-oscillators/sit8021 [sitime.com]サイタイム社60μA@1.8V(3MHz品)の超消費電力。形状が1.5mmx0.8mmの超小型。
他の日本メーカの低消費電力品だと、https://www.kds.info/product/dso221sr-2/ [kds.info]大真空社DSO221SR 0.3mA程度。形状が2.5mmx2mm
https://www5.epsondevice.com/ja/products/crystal_oscillator/sg210sgb.html [epsondevice.com]エプソントヨコム社SG-210SGB 0.2mA程度。形状が2.5mmx2mm
https://www5.epsondevice.com/ja/information/technical_info/pdf/white_p... [epsondevice.com]2014年のエプソントヨコム社が出したサイタイム社との対抗ホワイトペーパー当時ここに書いてあるMEMSに対する水晶の優位性はかなり無くなっているように思います(MEMSの性能が向上している)
MEMS発振器が進化してることはその通りですが、SiT8021を水晶発振器と比べるのは違うと思いますよ?消費電力に直結するピリオドジッタ特性が水晶発振器の10倍以上(普通はジッタは電力の2乗に反比例)です。位相ジッタなんて、RMSで1ns以上あります。普通の水晶発振器は一桁ps以下ですが…
というわけで、これは水晶発振器の対抗品ではなく、RC発振器を置き換えるための物でしょう。水晶発振器が必要な用途で使ったら痛い目を見そうです。
RC発振(精度10%程度)、セラロック発振(精度0.5%程度)より、精度が良い(100ppm=0.01%精度)ので、ジッタが大きいというのは水晶PLL発振の系統ですね(さすがにRC発振というのは消費電力以外違うと思います)
水晶PLL発振は例えばこの系統https://www5.epsondevice.com/ja/products/crystal_oscillator/sg8018ca.html [epsondevice.com]
MEMSでも品種を選べば、こんなのもhttp://eetimes.jp/ee/articles/1811/06/news065.html [eetimes.jp]周波数安定性は水晶比で10倍:5Gで水晶の置き換え狙う、±5ppbの「MEMS OCXO」
SG8018のデータシートはご覧になられてるかと思いますが、SiT8021とはピリオドジッタも位相ジッタも一桁性能が違います。用途を考える際には、静的な周波数特性と動的な周波数特性は分けて考えないといけません。
MEMS発振器で挙げられている機種は確かに性能が高いのですが、5G向け基地局で求められるスペックはもっと高く、水晶発振器では1ppb以下を競っています。5ppbだと現状の4G/4.5G向けと大差ないので、今のところMEMS発振器が5G向けに採用される見込みは無さそうです。(一応この業界にいますが、採用されるという噂は聞いたことがありません)そして、そういう高精度品は高精度な水晶と同様に外形が大きく、消費電流も大きいです。
MEMS発振器が成長著しいのは重々承知しています。だから、先行投資の意味も含めて、Appleは昔からMEMS発振器を一部に採用してるのだと思います。(確かiPhone6の頃から)ただ、現時点で水晶発振器を置き換えられるレベルかというとそうではなく、一部MEMS発振器も使える用途があるという状況です。
まだ若い技術なので、Appleもリスク回避してます。記事ではサイズを理由に全部MEMS発振器に変わったかのように書かれてますが、iPhoneの分解記事を追ってもらえれば、水晶発振器もMEMS発振器も両方使ってると分かります。最近のモデルでも、数個ある発振器の1個しかMEMSに変えてなかったはずです。記事ではサイズに言及してますが、水晶発振器の方が小さい場合もあり、特にMEMS発振器だから劇的に小さいわけでもありません。MEMS発振器を使う理由は推測するしかないですが、私はリスク分散とコスト競争のための複数購買ではないかと思ってます。
時を測る手段が、より高精度を求めて水晶に移っていったのち、安価な用途では再び「振り子」に戻ってきたというのは面白い。
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クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人
MEMS発振器 (スコア:0)
クオーツの発明に相当するのかもしれんが、MEMS発振器なんてのが発明されていた事を知らなかった。
まぁ精度とかじゃなく価格とサイズの違いだから漸進的な進歩の類だろうけど。
一定以上の閾値を最初に満たせばそれなりに大きな発明でも目立たないもんだな。
そして発明されて長く信頼性の高い技術と比べて、若い技術はこういう意外な欠陥があるもんだな。
Re:MEMS発振器 (スコア:2, 参考になる)
なお、SiTimeのFAQには、「旧タイプのEpiSeal共振器は分子サイズの小さなガスを大量に浴びると影響があったかもしれません。ただし、新しいモデルではすべての分子サイズの小さなガスに対処できます」との記載があるので、新型のEMSタイミング発振器にはヘリウム耐性があるようです。
克服はされてる。
Re:MEMS発振器 (スコア:2)
秋月でも売ってるよ。
水晶は結構とアナログで発振しなかったり整数倍で発振したりするから、用途はあると思っていた。
一番大きい動機は高いMHzの水晶が売ってないこと。
Re:MEMS発振器 (スコア:2)
サイタイムのMEMS発振器は性能良いですよ。価格も安いし。
今後水晶を扱うエプソントヨコム、大真空、リバーエレテック、京セラ辺りはかなりやばいんじゃないだろうか。
https://www.sitime.com/products/1-26-mhz-oscillators/sit8021 [sitime.com]
サイタイム社60μA@1.8V(3MHz品)の超消費電力。形状が1.5mmx0.8mmの超小型。
他の日本メーカの低消費電力品だと、
https://www.kds.info/product/dso221sr-2/ [kds.info]
大真空社DSO221SR 0.3mA程度。形状が2.5mmx2mm
https://www5.epsondevice.com/ja/products/crystal_oscillator/sg210sgb.html [epsondevice.com]
エプソントヨコム社SG-210SGB 0.2mA程度。形状が2.5mmx2mm
https://www5.epsondevice.com/ja/information/technical_info/pdf/white_p... [epsondevice.com]
2014年のエプソントヨコム社が出したサイタイム社との対抗ホワイトペーパー
当時ここに書いてあるMEMSに対する水晶の優位性はかなり無くなっているように思います
(MEMSの性能が向上している)
Re: (スコア:0)
MEMS発振器が進化してることはその通りですが、SiT8021を水晶発振器と比べるのは違うと思いますよ?
消費電力に直結するピリオドジッタ特性が水晶発振器の10倍以上(普通はジッタは電力の2乗に反比例)です。
位相ジッタなんて、RMSで1ns以上あります。普通の水晶発振器は一桁ps以下ですが…
というわけで、これは水晶発振器の対抗品ではなく、RC発振器を置き換えるための物でしょう。
水晶発振器が必要な用途で使ったら痛い目を見そうです。
Re:MEMS発振器 (スコア:2)
RC発振(精度10%程度)、セラロック発振(精度0.5%程度)より、精度が良い(100ppm=0.01%精度)ので、
ジッタが大きいというのは水晶PLL発振の系統ですね(さすがにRC発振というのは消費電力以外違うと思います)
水晶PLL発振は例えばこの系統
https://www5.epsondevice.com/ja/products/crystal_oscillator/sg8018ca.html [epsondevice.com]
MEMSでも品種を選べば、こんなのも
http://eetimes.jp/ee/articles/1811/06/news065.html [eetimes.jp]
周波数安定性は水晶比で10倍:5Gで水晶の置き換え狙う、±5ppbの「MEMS OCXO」
Re: (スコア:0)
SG8018のデータシートはご覧になられてるかと思いますが、SiT8021とはピリオドジッタも位相ジッタも一桁性能が違います。
用途を考える際には、静的な周波数特性と動的な周波数特性は分けて考えないといけません。
MEMS発振器で挙げられている機種は確かに性能が高いのですが、5G向け基地局で求められるスペックはもっと高く、水晶発振器では1ppb以下を競っています。
5ppbだと現状の4G/4.5G向けと大差ないので、今のところMEMS発振器が5G向けに採用される見込みは無さそうです。
(一応この業界にいますが、採用されるという噂は聞いたことがありません)
そして、そういう高精度品は高精度な水晶と同様に外形が大きく、消費電流も大きいです。
MEMS発振器が成長著しいのは重々承知しています。
だから、先行投資の意味も含めて、Appleは昔からMEMS発振器を一部に採用してるのだと思います。(確かiPhone6の頃から)
ただ、現時点で水晶発振器を置き換えられるレベルかというとそうではなく、一部MEMS発振器も使える用途があるという状況です。
Re:MEMS発振器 (スコア:1)
まだ若い技術なので、Appleもリスク回避してます。
記事ではサイズを理由に全部MEMS発振器に変わったかのように書かれてますが、iPhoneの分解記事を追ってもらえれば、水晶発振器もMEMS発振器も両方使ってると分かります。
最近のモデルでも、数個ある発振器の1個しかMEMSに変えてなかったはずです。
記事ではサイズに言及してますが、水晶発振器の方が小さい場合もあり、特にMEMS発振器だから劇的に小さいわけでもありません。
MEMS発振器を使う理由は推測するしかないですが、私はリスク分散とコスト競争のための複数購買ではないかと思ってます。
Re: (スコア:0)
時を測る手段が、より高精度を求めて水晶に移っていったのち、安価な用途では再び「振り子」に戻ってきたというのは面白い。