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裁判と言うものは、書類準備に数か月から数年などという場合もあり、その間に事態の悪化を防ぐために、仮処分などを申請します。仮処分は、もっともらしいことが書かれた書類のみで通る可能性はあります。当然ですが、実物を出した方が有利だと感じた側が、実物を持ち出して反論「することもできる」わけです。そして客観的にどうかではなく、双方が自陣営有利と感じるスタイルで情報を出していく自由があります。
例えば、かつて私が経験した裁判では、問題となっている現物のソフトウェアを実際に裁判官の前で見せるところまで、半年かかりました。(しかも、弁護士が提出必要と判断するまで出さないよう止められていました)そのことを考えると、現物など持ち出すこともなく、書類のみで終了する裁判などもあるのだろうと思います。
今回はApple側としては、「画面をこの状態にして、形をこんな風に変形して出したらiPad2そっくり」という主張です。ただし、変形したこととかを書く必要はありません。それは相手が反論しなければ有利に事が運ぶから。仮処分の範囲が縮小されたのは、誰かが明確に反論して、「変形までしてそっくり言われても仮処分はちょっとなー」ってことだろうと考えます。
こういう、ミスリードを誘うような資料提出は、裁判の現場ではよくあることのようです。反論を受けたら、あとからしれっと、「印象が似ていることを示すために、こういった手順で加工を施した」なんて資料を出したりします。
仮処分というのは被害の拡大を防ぐために正確さより迅速であることを要求されるから両者の言い分を聞いて即判断するわけでちゃんと決着をつけるのは本裁判でやってね、ということでしょう。もちろんその段階で証拠に捏造があったりすれば後の裁判に影響するわけですが。
オーストラリアでギャラタブが販売中止になったのは、本裁判でSamsungが勝ったらその期間の機会損失を損害賠償としてAppleが払う、という条件なんですよね。ドイツの仮処分がどうなっているか分かりませんが、多分後でSamsungが勝ってもAppleはやり得になるタイプだと思います。また、「両者の」言い分も聞いていません。今回の申し立てでは被告であるはずのSamsungは呼ばれず反論の機会も与えられず、Appleの言い分だけの欠席裁判で仮処分が通っています。この制度だとそりゃやったもん勝ちで証拠捏造して仮処分申請する奴出るよなぁとは思いました。というか、Apple以前にも同じようなことを仕掛ける輩はいたと思うんですが、これまでドイツでは問題にならなかったのでしょうかね。
>> オーストラリアでギャラタブが販売中止になったのは、本裁判でSamsungが勝ったらその期間の機会損失を損害賠償としてAppleが払う、という条件なんですよね。
そもそもオーストラリアのは裁判所の判断ではなく,両者の話し合いによる合意です.ですから今回の件とは比較にすらなりません.…と言っても「他国で販売中止の前例さえ作っちまえば,それに釣られてドイツの裁判所はEU全域を対象に仮処分を出すに違いないぜ」「釣りのダメ押しに,比較写真をちょいとフォトショ加工しとくかw」みたいな邪悪な計画だったのかもしれませんが.
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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家
裁判って (スコア:0)
写真だけで判断するものなのか
いかさま写真を提出したAppleは悪いと思うが、
似てるかどうかの話しはまた別の問題ではないのだろうか
実物同士比べて似てたら販売差し止めで、その上でAppleに偽証罪? か何かを適用すれば良いのでは
Re:裁判って (スコア:5, 興味深い)
裁判と言うものは、書類準備に数か月から数年などという場合もあり、その間に事態の悪化を防ぐために、仮処分などを申請します。
仮処分は、もっともらしいことが書かれた書類のみで通る可能性はあります。
当然ですが、実物を出した方が有利だと感じた側が、実物を持ち出して反論「することもできる」わけです。
そして客観的にどうかではなく、双方が自陣営有利と感じるスタイルで情報を出していく自由があります。
例えば、かつて私が経験した裁判では、問題となっている現物のソフトウェアを実際に裁判官の前で見せるところまで、半年かかりました。
(しかも、弁護士が提出必要と判断するまで出さないよう止められていました)
そのことを考えると、現物など持ち出すこともなく、書類のみで終了する裁判などもあるのだろうと思います。
今回はApple側としては、「画面をこの状態にして、形をこんな風に変形して出したらiPad2そっくり」という主張です。ただし、変形したこととかを書く必要はありません。それは相手が反論しなければ有利に事が運ぶから。
仮処分の範囲が縮小されたのは、誰かが明確に反論して、「変形までしてそっくり言われても仮処分はちょっとなー」ってことだろうと考えます。
こういう、ミスリードを誘うような資料提出は、裁判の現場ではよくあることのようです。
反論を受けたら、あとからしれっと、「印象が似ていることを示すために、こういった手順で加工を施した」なんて資料を出したりします。
Appleのいやらしい法廷戦略 (スコア:1, 興味深い)
スペックを上回るGalaxy Tab 10.1は脅威でした。
しかし、iPad2は大人気商品であり、Galaxy Tabがなければ
スタートダッシュで大量に販売でき、その結果需要を初期で満たす
ことができればGalaxy Tabへの勝利が得られることになりました。
Appleはドイツの司法の仕組みに目をつけました。
販売停止の仮処分申請で、ドイツの地裁は一方からの訴えのみで
販売停止を決めることを利用しました。
だから、ドイツの一地方の地裁に訴えたのです。
販売停止の仮処分は、Appleの捏造的な訴え資料のみで判断され、
Samsungの反論を一切聞くことなく決定されました。
Samsungは販売停止の仮処分申請の話を、販売停止の決定された後に
知りました。
きちんと反論できていればAppleが提出した資料の不正は明らかにでき、
販売停止となることもなかったでしょう。
しかし、Appleの目的は恒久的な販売停止ではなく、iPad 2の販売で
需要を満たすまでGalaxy Tabを一時的に市場から排除することでした。
その目的は達成されました。
こういう戦略をとってくるAppleの商品なんか、買う気も起こらない。
Re: (スコア:0)
仮処分というのは被害の拡大を防ぐために正確さより迅速であることを要求されるから両者の言い分を聞いて即判断するわけで
ちゃんと決着をつけるのは本裁判でやってね、ということでしょう。
もちろんその段階で証拠に捏造があったりすれば後の裁判に影響するわけですが。
Re:裁判って (スコア:1, 興味深い)
オーストラリアでギャラタブが販売中止になったのは、本裁判でSamsungが勝ったらその期間の機会損失を損害賠償としてAppleが払う、という条件なんですよね。
ドイツの仮処分がどうなっているか分かりませんが、多分後でSamsungが勝ってもAppleはやり得になるタイプだと思います。また、「両者の」言い分も聞いていません。今回の申し立てでは被告であるはずのSamsungは呼ばれず反論の機会も与えられず、Appleの言い分だけの欠席裁判で仮処分が通っています。
この制度だとそりゃやったもん勝ちで証拠捏造して仮処分申請する奴出るよなぁとは思いました。というか、Apple以前にも同じようなことを仕掛ける輩はいたと思うんですが、これまでドイツでは問題にならなかったのでしょうかね。
Re: (スコア:0)
>> オーストラリアでギャラタブが販売中止になったのは、本裁判でSamsungが勝ったらその期間の機会損失を損害賠償としてAppleが払う、という条件なんですよね。
そもそもオーストラリアのは裁判所の判断ではなく,両者の話し合いによる合意です.ですから今回の件とは比較にすらなりません.
…と言っても「他国で販売中止の前例さえ作っちまえば,それに釣られてドイツの裁判所はEU全域を対象に仮処分を出すに違いないぜ」「釣りのダメ押しに,比較写真をちょいとフォトショ加工しとくかw」みたいな邪悪な計画だったのかもしれませんが.
Re:裁判って (スコア:1, 興味深い)
>迅速であることを要求されるから
>両者の言い分を聞いて即判断するわけで
なぜドイツのデュッセルドルフという地方の裁判所で
仮処分を申請したか、がミソ。
ドイツ以外のほかの地域じゃダメだったんだよね。
理由1.デュッセルドルフにはSamsungの現地法人がない
理由2.ドイツ地裁の仮処分は双方の話を聞くわけではない
ということなんだよね。
理由1は、Samsungには極秘に仮処分の決定をさせるため。
こんな捏造資料、現物を出されたら即却下されるよ。
理由2は、理由1も関連して、一方的な訴えのみで仮処分を
決定できる点がある。
デュッセルドルフ地裁が仮処分の範囲を大幅に縮小したのも、
「どうやらアップルが提出した資料はインチキだったと
報じられているぞ」
「どうやらAppleはドイツの司法の穴を利用しただけ
らしいぞ」
ということに裁判官が気づき、「悪用された」と認識した
と思われる。
そこで、ドイツの司法の穴を利用してEUでの流通を阻害する
ことを目的とされた今回の仮処分について、「ドイツ国内のみ」
ということにしたわけだ。
外れる可能性もあるけど、予想としてはおそらく今回の訴えは
最終的には却下される可能性が大きくなったと思う。
Appleの心証は、裁判官にはだいぶ悪くなったはずだ。