くだんの ITmedia の記事は、簡単のためにあえて Lisa を省いて書いているフシがありますね。でも、ラスキンのアンチ Lisa の位置づけでの Macintosh と、ジョブズの(おなじアンチでも方向性が違う)廉価版 Lisa の位置づけでの Macintosh とをきちんと説明しないと、かえって分かりにくくなるような印象を持ちました。
暫定ダイナブック(Smalltalk システムを GUI ベース OS として動作する ALTO はこう呼ばれていました。なお ALTO はこれとは別に Star システムのハードウエアという位置づけもありましたが、Star と暫定ダイナブックは別物と考えるべきです)から、Lisa や Macintosh への GUI デザインの流れは長らく謎とされていたのですが、先頃、ビル・アトキンソンによりその一部が明らかにされました。こちらのレポート [mac.com]の、次の画像は、私のように長いこと Lisa/Macintosh の GUI は Apple がそのオリジナリティを発揮して、ほぼゼロから作りあげたものである…と信じて疑わなかった者にとっては、ある意味、とても衝撃的なものです。
Apple のオリジナリティは、広く信じられているように GUI そのものではなく、実は Smalltalk システムですでに何年も前に培われていた“それ”と、後に Lisa や Macintosh に実装されたものとの差分、あるいは、そうした変更を是とするために繰り返し行なった「ユーザーテスト」やそれからのフィードバックに重きを置く開発スタイルにあったのではないかと、最近は、考えるようになりました。参考になればさいわいです。
なんでこれがローカルトピックなんだ (スコア:1, 興味深い)
Win使っていようがMac使っていようが、何らかの影響下にはあるのだし。
表に出て良い話だぞ。
#アンチ避けとは言え、macオンリーな話題はすべからくローカル、という姿勢は好きになれない。
Re:なんでこれがローカルトピックなんだ (スコア:1, 興味深い)
ジェフ・ラスキンは、Mac誕生時から現在に至までGUI否定派でした。自分が名付けた
マシンにGUIが使われるのは許せなかったらしいし。
Re:なんでこれがローカルトピックなんだ (スコア:1)
DynabookからMacに至るまでの間に、どのようなインタフェースが提唱・開発されてきたか、そろそろ歴史的背景を整理すべき時期が来ているような気もします。アンチの人の中には、GUIは全部ゼロックスが開発したものでアップルはまるまるパクっただけ、って認識の人もいるみたいですしね~。
Re:なんでこれがローカルトピックなんだ (スコア:3, 参考になる)
暫定ダイナブック(Smalltalk システムを GUI ベース OS として動作する ALTO はこう呼ばれていました。なお ALTO はこれとは別に Star システムのハードウエアという位置づけもありましたが、Star と暫定ダイナブックは別物と考えるべきです)から、Lisa や Macintosh への GUI デザインの流れは長らく謎とされていたのですが、先頃、ビル・アトキンソンによりその一部が明らかにされました。こちらのレポート [mac.com]の、次の画像は、私のように長いこと Lisa/Macintosh の GUI は Apple がそのオリジナリティを発揮して、ほぼゼロから作りあげたものである…と信じて疑わなかった者にとっては、ある意味、とても衝撃的なものです。
写真1 [mac.com]
写真2 [mac.com]
写真3 [mac.com]
左側のスクロールバー、ポップアップメニュー、オーバーラップするマルチウインドウ、グレイの背景、白地に黒文字表示(ただし、これは Smalltalk システム自体がエンゲルバードの NLS からの影響)、黒いウインドウタイトルバー、マルチフォント・マルチスタイルテキスト表示、カット&ペーストに代表されるテキスト選択→メニュー項目選択スタイルのオペレーションなど Smalltalk-72 システムや 同 76 システムの影響を(Smalltalk システムを知るものからすると、ちょっと笑ってしまうくらい…)必要以上に強く受けて作られたことが伺われます。
Smalltalk-72 システム [no-ip.com]
Smalltalk-76 システム [ipa.net]
Apple のオリジナリティは、広く信じられているように GUI そのものではなく、実は Smalltalk システムですでに何年も前に培われていた“それ”と、後に Lisa や Macintosh に実装されたものとの差分、あるいは、そうした変更を是とするために繰り返し行なった「ユーザーテスト」やそれからのフィードバックに重きを置く開発スタイルにあったのではないかと、最近は、考えるようになりました。参考になればさいわいです。