
HyperCardが消えた理由 45
ストーリー by hylom
囲い込みとはまた違うような気も 部門より
囲い込みとはまた違うような気も 部門より
cheez 曰く、
AppleがMacからHyperCardを消した理由についての考察が本家/.にて取り上げられている。
HyperCardのポテンシャルを誰よりも理解していただろうジョブズは、HyperCardを無きものとしてしまった。その後も復活の要望は高く、市場もあったにも関わらず、類似ソフトウェアが登場することは無かった。
理由はHyperCardがAppleの作ろうとしている世界にそぐわなかったことにあるとこのブログでは指摘している。その世界とは、今はほぼ消えつつある「コンピュータを『使うこと』と『プログラミングすること』の境界の薄い世界、パーソナルコンピュータが単なる高価なビデオ付き電話ではなく、自分の頭の中を増幅してくれる端末である世界。そしてそれはAppleの囲い込み戦略が実現し得ない世界でもあったのだと。
HyperCardが存続されていたならば、iOS端末やその他Apple製品は現在のように存在していただろうか?ふと考えさせられる。
9インチの呪縛 (スコア:5, 興味深い)
HyperCardは元々、9インチのモニタに最適化されていました。
9インチのモニタ全画面にピッタリ表示されて、Macが完全に
HyperCardの環境そのものになったわけです。
でも、Macに様々な大きさのモニタが繋がるようになって、
HyperCardもそれに対応してウィンドウの大きさが変えられるように
なってしまったのが、混沌として廃り始めた元凶だと記憶しています。
特に、12インチモニタが最悪でした。
9インチ=モノクロ、13インチ(以上)=カラー、という図式で
棲み分け&共存していたのに。
12インチモニタでは、表示できない部分が出来たりしましたから。
(この問題はHyperCardだけじゃありませんけどね)
今なら、ベクターイメージでどんな画面の大きさでも綺麗に表示できる、
次世代のHyperCardが作れるんじゃないかな。
「スタックをMacで作成し、iPhoneやiPadで見る」というのは、
あながち悪い戦略ではないと思う。
# Xcodeで作ってiPhone,iPadに転送するのは、敷居が高すぎる
Re:9インチの呪縛 (スコア:2)
> 次世代のHyperCardが作れるんじゃないかな。
> 「スタックをMacで作成し、iPhoneやiPadで見る」というのは、
> あながち悪い戦略ではないと思う。
ああ、これいいですね。
他の環境でできてもいいんだけど、自分としてはHyperCardでできると(気分的に)嬉しい。
Re: (スコア:0)
そんな中途半端な機種(12inch)の問題であり、ソフトの問題ではないですね。
LCやColor Classicに限らず、II viとか残念な機種もありましたから。
おそらく勘ぐり過ぎ (スコア:4, 興味深い)
HyperCardのデビューは本当に鮮烈でした。その発想とデザイン力には心底感心したものです。でも同時に、HyperCardに対し誇大な幻想を抱いている様にも思えます。丁度ジョブスがなくなったこともあり、こんなタレコミが出たんでしょうけど。
HyperCardは2.0になると、確かにいろいろできるようになったが、重くてノロくてデカくて。ウチのMacは常にそこそこのクラスを買っていたけれど、スタックをダブルクリックして起動することを躊躇するようなものになってましたよ、もさっとしか立ち上がらないから。HyperCard 2.0が不必要に複雑化したことは、ビル・アトキンソン自身も批判してました。これでは衰退しても当然でしょう。Webの世界だってすぐそこまで来ていたんだし。
まあ、ジョブス云々以前に、製品として方向性を失って衰退しており、Webがとどめを刺したため、必然的に見向きもされなかったのではないでしょうか。でも、繰り返すけど、ビル・アトキンソンの作ったHyperCard 1.0は本当に素晴らしかったですよ。
KOGAI氏曰く (スコア:1)
404 Blog Not Found [livedoor.jp]
そのまま同意なので紹介。
Re:KOGAI氏曰く (スコア:1)
自分は、HyperCardでやっていたこと、やりたかったことを、今ではSqueakとEtoyでやっている。
>コードとデータが渾然一体
いっしょではダメなのか?
>特に作者以外が使う段階になるとしごく不便
作者と利用者を分けるべきなのか?
コード、データ、作者、利用者というパラダイムに囚われていないか?
HyperCard的なイメージベースもいいのではないか?
ということで、自分の場合、HyperCardが果たしてきたことをSqueakが引き継いでくれている。
Re:KOGAI氏曰く (スコア:1)
>特に作者以外が使う段階になるとしごく不便
考えてみたら、これも作る側の理屈ですよね。純然たるユーザーから見れば、ぶっちゃけどうでも良い事。
LotusNotesなんかも同じように、データとコードが渾然一体なんだけど、同じ不満をWeb界隈の開発現場から言われて久しいですね。
彼ら曰く、Webの標準技術で流用の出来ない技術は大抵こういう文句を言われてしまう傾向にある様です。
もちろん、小飼さんもWeb界隈の人なので、同じような不満がハイパーカードのような仕組みにはあるのでしょう。
なんとなく (スコア:0)
PDFっぽい
Re: (スコア:0)
そりゃ、彼はWeb方面の人だものw
コードとデータを分けた結果、柔軟性のないRDBで無理やりDBを実現している現状も歪んでいるとは思うんだけども。
#小飼氏的には、No SQLについて、どう思ってるんだろうな?
HTML Application (スコア:1)
Windows環境の話になってしまいますが、HTMLアプリケーションで簡易なアプリケーションっぽいものが作れるのはHyperCardの従妹の末裔の知り合いぐらいの関係といってもいいかも?(遠いw
Re:HTML Application (スコア:2)
Re:HTML Application (スコア:1)
そこらへんはAccessでMDB/MDEの方が近いですな > アプリとデータが一体化
HTAはデータ保存しようと思ったらファイル書き込みのコードをちゃんと書かないといけないから。
Accessにもランタイムバージョンがあれば、簡易アプリケーションの配布媒体として使う人が出たのかなあ。
Re:HTML Application (スコア:1)
Excelで充分ですよ。
VBAマクロ+データシート+Excel方眼紙
Re:HTML Application (スコア:1)
文字数字日付だけでいいなら代用できますね。
ワークシートテーブルにバイナリオブジェクトが保存できさえすれば完璧なんですが。
Re:HTML Application (スコア:1)
OLEの埋め込みオブジェクトとか、BASE64変換を自作するとかで何とかなる。
たいしたことない。HTAでバイナリを読み書きしようとする手間に比べたら。
Re: (スコア:0)
HTAには(IE上では封印された)ADODB.Streamがあるじゃないですか。
# 結局File APIという名前で現代に復活した件
Re: (スコア:0)
データもコードも渾然一体で1ファイルに入っているという要件も満たしていますねw
Re: (スコア:0)
「AccessでMDB/MDEの方が近い」
Notesの方が遥かに近い。つーか、そのものと言えるw
Notesで作ったWebアプリは、データもコードも全て、DB(他の製品でいうところのDBとは少々意味が違いますが)というファイルの中に入ってますよ。
Re: (スコア:0)
でもあんまり一般的ではないようです。
Re:HTML Application (スコア:1)
あったんですか > Accessのランタイム
Snapshot Viewerしか知らなかったですわ。
こういうソフトもあるみたいっすね (スコア:1)
そんなにスタックを使いたいのなら、こういうソフトもあるみたいっすね。
HyperZebra Preview Release
http://web.me.com/pgoo/Site/HyperZebra.html [me.com]
HyperCardが存続されていたならば、 (スコア:0)
VBはさらにシェアを伸ばしていたかも。対抗ソフトとして、いい意味でね。
#HCからVBに乗り換えるのは簡単だった。逆は無理かも。
既に息してなかったような (スコア:0)
ジョブズがAppleに復帰するよりも前に、既にHyperCardって息してなかったような・・
その頃はCD-ROMによるマルチメディアコンテンツが主流で、その後すぐHTMLが一般化し、HyperCardは時代に取り残されていた印象だったなぁ
HyperCardを亡き者としたって言われてもw
もう役割を終えた存在だったという印象でしたよ
Re:既に息してなかったような (スコア:1)
Re: (スコア:0)
私が初めてMacを買ったのは1995年だからギル・アメリオがCEOになるちょっと前。
当時すでにOSからHyperCardが除かれていて復活運動みたいのが盛んだった。
なので私は「HyperCard、何それおいしいの?」という疑問を抱いたまま、
実物に触れることなく今に至っている。
HyperCardよりApplescriptをもう少し何とかしてくれないかな。
今でも搭載されているのに、10年近く解説本の新刊が出てない気がする。
Re: (スコア:0)
> 当時すでにOSからHyperCardが除かれていて復活運動みたいのが盛んだった。
私も同じ頃に初めて Mac を買ったのですが、確か HyperCard は入ってるんだけど
オーサリングレベルが「隠しコマンド」になっている機能制限版だった、と記憶して
おります。製品版はカラーが使えるようになってる、とかそんな差別化があったような。
# Copland さえ出ていれば…
Re: (スコア:0)
隠しコマンドmagicでオーサリングできるのは、HyperCard Lite
復活運動が盛んになったのは、その後のHyperCard Player
うにょ [livedoor.jp]でよく遊びましたよ。
うにょ!Revenge (スコア:1)
HyperCard 末期は、CPU等早くなりすぎて動きが
せわしなかったのも、良い感じになってます。
Macが可愛すぎんだよな、これw
Re: (スコア:0)
おお、早速遊んでみました。懐かしいなあ。
自分も簡単なゲームを作って自分だけで遊んでました。
スロットマシンとか(ハイスコア登録機構も作ったり)
オセロとか(人間対人間しか自分では作れなかった)
一見カード型データベースだけど、紙芝居とか、RPG風ゲームとか
いろいろなスタックがありましたよね。
Re: (スコア:0)
と、言うか HyperCard は FileMaker に引き継がれたのだと思います。
DBとしては、ちょっとサイズの大きなモノを作ろうとするとエラーが頻発、爆弾を誘発し、仕様的にも徐々に中途半端な印象となっていったように思います。
また、当時の個人用カード型DBとしては良かったけど、カラー化が遅れたため、一部のプレゼンテーション(紙芝居やアニメーションなど、今で言うパワポ的使い方)目的のユーザは、マクロメディアのディレクターに移っていったように思います。
その人達も今ではFlashに移っていると思いますが。
なのでHTMLコーディングが一般化する以前に、姿とメーカを変えたのではないでしょうか。
Re:既に息してなかったような (スコア:5, 興味深い)
HyperCardの「カード型データベース」という部分だけをみて
FileMakerに引き継がれたと考えるのは、全くの間違いです。
FileMakerはデータベース。HyperCardは統合開発環境。根本的に別物。
HyperCardの凄い所は、
「Command押しながらドラッグするだけで、データベースのひな形が完成」したり、
(↑うろ覚えだが、確かこれでフィールドが作られたはず)
「"go next card"というボタンを作るだけで、ぱらぱら絵本のひな形が完成」するなど、
無限の可能性があるにも関わらず、とにかく簡単で敷居が低い。
同じ簡単さで同様のことを実現できる環境は、後にも先にも見当たらない。
HyperCardから本格的なオーサリングツールへ移行したのは、それなりの作品を作る
意気込みがあった人達。なぜなら、ツール自体がそれなりに高価で、かつ、複雑。
HyperCardは無料でバンドルされていて、誰でも気軽に絵を描いて、作品を作れた。
その結果、粗製乱造を招いたわけだが。クリエイターを発掘するキッカケとしては、
非常に意義が大きかったように思う。
Re: (スコア:0)
>HyperCardから本格的なオーサリングツールへ移行したのは、それなりの作品を作る
>意気込みがあった人達。なぜなら、ツール自体がそれなりに高価で、かつ、複雑。
HyperCardはカード型データベースというより、マルチメディア・オーサリングツールですね。FileMakerでなく、Macromedia Directorだろうね。
もっとも、SuperCard [supercard.us]もあるけどね。
Re: (スコア:0)
ジョブスが復帰しなかったら、QuickTimeベースで作り直されたHyperCard 3.0が出ていた予定だった。
HyperCardってなんですか??? (スコア:0)
私がMacを知ったときは、既にHyperCardはメインから外れていました。
ただ、コンピュータを使って何かを作ると言う意味では、
Xcode,Keynote
もすばらしいツールだと考えています。
って
WebObjects
が無くなったことをふまえるとAppleは路線を変更したのかもしれませんね。orz
Re: (スコア:0)
Automatorは?
HyperCardには限らない (スコア:0)
他の方法でできるものを、「それ」でやらないとならない理由など存在しない。
#残ってるのは、ここが便利だとか、ここがいいとか具体的にしないとね
今時の環境なら (スコア:0)
HyperCard的なデベロップツール->HTML5+Javascriptへのコンバータで十分威力発揮できそうですがそういうツールはみかけないですねぇ
HTML5でも--mozとか--webkitとか出てくるともうイヤになるので吸収してくれるものがあれば嬉しいのは本当
Re: (スコア:0)
もしかして:CSS3
Re: (スコア:0)
WHATWGもHTML5はbuzzwordだと認めましたぜ
うんざー (スコア:0)
HyperCardはよく知らないけど
少なくともTownsGEARは素晴らしかった
めざす世界にそぐわなかった? (スコア:0)
>>今はほぼ消えつつある「コンピュータを『使うこと』と『プログラミングすること』の境界の薄い世界、
>>パーソナルコンピュータが単なる高価なビデオ付き電話ではなく、自分の頭の中を増幅してくれる端末である世界。
これら世界の入口としては、十分役割を果たしていた気がするのですが。
私はやさしくないので、(選択肢はあるのだから)Linux上に上記の世界をユーザーが構築すれば良いと思っていましたが、
そういう世界に興味をもつ人が圧倒的に減ってしまい、必要性が極めて低下してしまったように感じています。
興味をもつ人が減ったというか、上から降ってくるものを待つだけになってしまったというべきかもしれませんが。
Re: (スコア:0)
だからこそ、消されたのでしょ?
とあるように、ユーザーをAppleの世界に引き込み、ユーザーをAppleの世界に住まわせ、ユーザーにAppleの世界で消費を行わせ、ユーザーにAppleの世界で満足を感じさせ、ユーザーにAppleの世界で成仏してもらう…
そういう囲い込み戦略をするには、自由への扉は邪魔だった。
自分で何か新しい「仕組み」を作り出すものは邪魔だった。
Appleの作り出す仕組みの中で、Appleの作る流れに沿った行動をし、Appleの思い通りに満足するユーザーを作るには、彼は邪魔だっ
Re:めざす世界にそぐわなかった? (スコア:1)
囲い込み戦略っていうけど、HyperCardなんてまさに囲われてたじゃないかw
Macでしか動かないしさ
Appleの囲い込み戦略が実現し得ない世界とか語るにはムリがある
Re:めざす世界にそぐわなかった? (スコア:2)
HyperCardが動くのはMacのみなので、Appleによる囲い込みといえば間違っては無いけど・・・
「FinderをはじめとしたMacのアプリケーション群による体験」と、
「HyperCardのスタックによるユーザー体験」って、かなり違うんですよ。
丁度、webブラウザとFlashの関係に似てるかもしれない。
NEXTSTEP上で (スコア:0)